カナダのヴィクトリア大学では、毎年、人文情報学に関するサマースクールを開催しており、近年は50コース、世界中から集う講師に加え、主に北米一帯から800人ほどの受講生が集まる、世界最大級のものとなっています。
本年は、情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会と日本デジタル・ヒューマニティーズ学会の共催により、日本文化のための人文情報学のコースが提供され、6名の人文情報学研究者が日本から講師として参画しました。当研究所からは永崎主席研究員が参加し、日本のDHについての現状やTEIの日本文化資料への適用などについて講義を行いました。
北米における日本研究への支援の必要性がクローズアップされるなか、人文情報学を手がかりとした日本研究のデジタル化資料とその活用手法の講習をDHSIという巨大プラットフォームの力を借りて実施でき、そして、それを通じて海外日本研究者向け講習のテンプレートを作成できたことは、日本の人文情報学を世界へと広げていく道筋の一つとなるだけでなく、今後の海外日本研究支援の足がかりの一つにもなっていくことが期待されます。